【新型コロナ後の飲食店】これから流行る飲食店の特徴について紹介

コロナ禍後の飲食店における課題とは

飲食店は新型コロナウイルスの影響を最も大きく受けた業界といえるでしょう。自粛要請期間中には多くの飲食店が閉業や休業に追い込まれました。規制が緩和され、コロナ禍以前の日常が戻りつつある現在でも、多くの飲食店では以下のような問題を抱えています。

半数以上の飲食店で売上が戻っていない

飲食店ドットコムによる2023年6月の売上調査によると、2019年同月比で80%との回答が15.5%と最も多く、半数以上(52.6%)がコロナ禍以前の水準に達していないことが明らかになりました。全体としてみても、コロナ禍以前の売上以上となっている飲食店は約20%と、多くの飲食店で売上が落ちていることが分かります。

深刻な人材不足

飲食店における人材不足はコロナ禍以前から問題視されていました。2023年の調査では人材不足と答えた飲食店は全体の40%以上にもなっています。また、多くの飲食店が人材は何とか足りている状況であると回答しており、経営に十分な人数を確保している割合となると全体の約20%程度であるとされています。

物価高騰によるコストの増加

コロナ禍以降に深刻な問題となってきているのが、物価高騰による原材料費の増加です。物価高騰の影響を調査した2023年のデータでは、約98.1%の飲食店で『物価高騰の影響がある』と回答し、ほとんどの飲食店が値上げやコスト削減のための施策を余儀なくされていることが明らかとなりました。

これから流行る飲食店では課題克服が鍵となる

さて、これらの問題点を踏まえた上で、今後流行る飲食店について考えていきたいと思います。大前提として、今後流行る=売上を大きく伸ばす飲食店に必要なことは、これらの問題点を何かしらの工夫で克服していることだと考えられます。SNSでの流行や一時的なブームを予想することは難しいですが、これまで紹介してきた飲食店が抱える問題点を克服するという観点なら、分析やマーケティングである程度予測することが可能です。

これから流行る飲食店の具体例

では、実際に今後流行りそうな飲食店の具体例について見ていきましょう。

徹底的にシステム化した飲食店

人材不足、売上低迷という2つの問題点を克服するためには、人件費や従業員の負担削減が最も効果的です。そのためには、これまで人が行っていた作業を徹底的にシステム化することが有効だと考えられます。具体的には

  • ・タブレットから注文できるようにする
  • ・商品の提供をロボットで行う
  • ・料理自体をロボットや機械で行う
  • ・セルフサービスの範囲を広げる

などといった取り組みがあります。これらは一部の飲食店で既に導入されている取り組みで、飲食店におけるDXの一例といえるでしょう。こういった施策により人件費や作業負担を減らすことで、人材不足や物価高騰による影響を少なくすることができます。

ニッチなニーズのある専門店

コロナ禍以降デリバリーやテイクアウトの需要が大きく伸びたことに加えて、専門店のニーズが高まってきました。これは『今日はパスタが食べたいからパスタ専門店からデリバリーしよう!』というように、食べたい料理を専門店から購入しようとする傾向があることが1つの要因だとされています。そのため、ニッチでかつニーズのある専門店が競合との競争に巻き込まれることなく、安定して売上を伸ばしていけると考えられます。

会員制・紹介制の高級レストラン

物価高騰による影響で、多くの飲食店が値上げを余儀なくされました。そのため『高いお金を払って外食するなら特別な体験をしたい!』と考える方が増えているとされています。結果、会員制や紹介制の特別感のある高級レストランなどは、これまで以上に人気になると考えられます。こういった飲食店の場合は、これまで以上に特別感のあるサービスや体験に力を入れると良いでしょう。他では味わえない最高の料理やサービスを体験できることで、リピートしてくれるユーザーや新たなファンを獲得しやすくなります。

ファストカジュアル店

ファストカジュアル店とは『大手牛丼チェーンや、ハンバーガーチェーンといったファストフード事業より少し上の価格帯で付加価値をつけながら商品提供する業態』のことを指します。もともとアメリカ発祥のファストカジュアル店は『多少値段が高くてもいいから、体によいものが食べたい』というニーズから生まれました。ファストカジュアル店には

  • ・キッチンオペレーションが非常にシンプル
  • ・セルフサービスで省人化しやすい

といった特徴があります。そのため、飲食店が抱える人材不足の問題をクリアしやすいのです。

低価格を追求した飲食店

外食コストが高くなっている今、低価格路線を貫いている飲食店は消費者にとって非常にありがたいものです。そのため、とにかく競合他社よりも低価格を売りにした飲食店は今後さらなる人気がでると考えられます。低価格を追求した大手チェーン店にはかなわないと感じる場合でも、例えばある専門店の中での低価格を追求するなど、工夫次第で低価格路線を目指すことは可能です。

テイクアウトやデリバリー専門店

テイクアウトやデリバリー専門店はコロナ禍で大きく需要が拡大した業態です。現在でもウーバーイーツや孤食の普及によって、その需要は大いにあります。これまでは中々テイクアウトやデリバリーがなかったジャンルで導入すれば、流行の飲食店になりやすいでしょう。

まとめ

いかがでしたか。今後流行る飲食店を考える際には、これまで問題視されてきたことや、コロナ禍で浮き彫りとなった新たな課題をいかに克服していけるかが大切です。どういった飲食店にすればよいかお悩みの方は、ぜひ本記事で紹介した内容を参考にしてみてください。

 
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